【高大接続研究事業の概要】
宮城県石巻商業高等学校(以下「石巻商業高校」という。)と石巻専修大学との高大接続研究の柱となる事業は、石巻商業高校の生徒が石巻専修大学科目等履修生(高大接続研究生)として、経営学部・人間学部が開講する既存の1時限90分の授業を、半年又は1年間にわたって大学生と一緒に受講し、これを相互の履修単位として認めるものである。また、本事業を中心に相互の連携促進のため、公開講座、教員派遣、施設開放等の関連事業を行う。
【石巻商業高校におけるねらい】
○ より専門的な学習に対する動機付け、及び学習意欲の向上。
・専門的な学習による幅広い視野と思考力を身につける。
・自ら学ぶことや興味・関心のある学問分野への理解を一層深める。
・上級資格取得への足掛かりとし、資格取得の必要性を考えさせる。
○ 将来の進路に対する意識向上を図る。
・大学進学に対する意識の向上を図る。
・専門的な学習を進める中で将来の進路を主体的に考えさせる。
○ 大学への理解を深める。
・大学生活の実体験を通して、高校生活とは異なる学校の雰囲気を感じ取る。
・多くの大学生との交流を通して、より有効な人間関係の構築を目指す。
【石巻専修大学におけるねらい】
今回の石巻商業高校と本学との高大接続研究事業は、従来の出前授業等を中心とした高大連携の枠を超え、地域の高校生が本学内で正規授業科目を受講し、さらに双方から単位認定されるという点で先進性に富む取り組みである。大学生活を実体験し、専門的・学際的な知識を学ぶことで、本学への理解が深まるのみならず、大学全般への理解、学習意欲の喚起等につながり、高校生の進路意識を大幅に高めるものと思われる。本事業を成功させることは、地域の他高等学校との連携モデルを確立することであり、地域の教育水準の向上に大きく資するものである。また、本事業を契機に、高校との連携が一層深まり、高校のカリキュラム、指導方法、生徒の意識等についての現状理解が進むことで、大学教育の改善につながるものと期待できる。
【接続研究事業における開講科目と取扱について】
1 開講科目
・経営学部と・人間学部に複数の科目を開講する。
・科目数は8科目程度とする。
2 開講時間帯
・大学における5時限(16:50~18:20)とする。
・曜日その他については、大学のカリキュラムによる。
3 開講条件
・授業レベルは高校生が受講しても十分理解できるものとする。
・実験・実習科目、フィールドワーク等を伴う科目は避け、原則講義形式中心の科目とする。
・パソコン等の操作を伴う科目については可とする。
4 受講生
・受講できる高等学校の生徒は3年を原則とする。
・大学における授業のため、学力等に問題が無くかつ進学意識が明確な者とする。
5 単位認定
・大学が認定した単位について、将来大学に入学した場合は大学設置基準(昭和31年10月22日文部省令第28号)の第30条に定められた入学前取得単位として扱う。
・大学における受講生の取得単位の上限は、4単位とする。
・高等学校においては、大学からの評価にもとづいて、出席状況、感想文等を勘案し、認定を行う。この場合学校外における学修の単位として認定し、高等学校での取得単位に加算する。
・高等学校においては、学校外における学修の単位として2単位(高校換算ベース)を上限とする。
・大学においては、高校における単位取得の可否には関与しない。
・具体的な単位設定の運用については以下の通りである。
(1)単位の取扱いについて
- 単位の取扱いについては、原則として大学が定める。
- 大学と高等学校間における単位認定に関する相違は次の通りとする。
大学の通年90分授業(週35時間)は4単位であるが、高校では2単位に相当する。したがって、
前期・後期の科目の場合、大学では各2単位、高校では各1単位となる。
(2)成績の取扱いについて
- 成績の取扱いについては、原則として大学の定めによる。
- 大学では事前取得単位として認定するため、一般大学生と同じ扱いとし、成績評価基準に基づき、
試験・レポート・出席状況等により総合的に評価する。評定が60点以上の場合は単位認定され、
59点以下の場合は単位認定されない。なお、評定にかかわらず受講生の出欠は記録する。 - 成績及び単位認定結果の連絡は大学から高校へ、高校から生徒へ伝えられる。
- 単位認定者は大学長がする。また、大学長名の単位認定書を発行する。
- 大学が成績不良につき単位を不認定とした場合、高校はこれを尊重し、一切単位認定しない。
6経費
・受講料は徴収しない(免除する)。
・受講に関する経費(教科書、資料費、実験実習費等)については受講生負担とする。
7受講生の身分
・大学においては「科目履修生(高大接続研究生)」という身分を設け身分証を発行する。
・身分証をもって学内への入校および受講の許可とする。その際、一般学生と同様に施設利用を許可する。